ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる
ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる
マイケル・ルイス
【内容】
筆者がアイスランド、ギリシャ、アイルランド、ドイツ、そしてアメリカの地方自治体を取材し、財政破綻前後の中のそれぞれの立場や文化的背景に迫った本。
欧州危機についていろいろな切り口で書いた本というより、財政危機にある国や自治体について取材した本という感じ。
【感想】
マネーボールで有名なマイケル・ルイスの本ということもあって、内容云々ではなく面白い読み物として期待していたんだけど、読んでみると結構固めの本。
金融について学部卒程度の基礎的な知識がないと読みづらいんじゃないかと思う。
翻訳らしい強烈な言い回しが多々あって、文章自体がたまに読みづらいかなと思うところもあったけど、糞にまつわる多様な言い回しからドイツの国民性を見ようとするとか、そういう感じの皮肉やジョークがマイケル・ルイスっぽくて、内容自体はマイルド。
アカデミックな分析というよりはエンタメ寄りのルポルタージュという感じで、マネーボールみたいな軽さはないけど、決して内容カタくて読みづらいということはない。
冒頭で日本の債務について触れているけど、それ以降は特に話に挙がらず。
日本も取材して欲しかったなと思った。