数学で犯罪を解決する
数学で犯罪を解決する
キース・デブリン
ゲーリー・ローデン
【内容】
NUMB3RSというアメリカのクライムサスペンス系ドラマの中で、事件解決のために使われた(現実でも応用されている)数学的手法をわかりやすく解説した本。
【感想】
ドラマは一切見ていなかったので、中身についていけるかどうか不安だったけど、読んでみてそんな不安は吹っ飛んだ。
とにかく書いてあることすべてが面白くて、一気に読んでしまった。
指紋とかDNA鑑定にまつわる問題点の話とか、統計学の現実への応用をわかりやすく書いた本の中ではほとんど見たことない話が書いてあるのがものすごく新鮮だった。
一つの数学分野を集中的に解説しているのではなくて、広く浅くいろいろな手法を解説しているのも良かった。
専門書ではない一般向けの数学の応用を紹介する本としては最高の部類に入るんじゃないかと思う。
それくらい面白いし、わかりやすい。
もっとも、数学に強い人やこの手の話を知っている人にとっては専門的な内容にまで踏み込んでいないのが物足りなく感じるかもしれないなとは思った。
ただ、訳者あとがきで訳者による各分野の参考文献が挙げられているんで、物足りなかったり、興味を持ったりすればそっちにあたることもできる。
久々の大当たり本。