消費感想文

頭の悪い感想を書いています。主に読了本のメモ。

アイデアを形にして伝える技術

アイデアを形にして伝える技術

原尻淳一

 

【内容】

マーケティングプランナーである著者が、情報を拾ってきて整理する方法(インプット)とそれを企画書や論文の形に起こす手法(アウトプット)を具体的にまとめたもの。

 

【感想】

読書カードだとかの昔からありそうなアナログな方法から、ウェブを使った最近の方法までいろいろな手段の情報整理手法を網羅的に書いていて、それを知らない人にとっては、そういうやり方もあるのかと思わせるかもしれない。

 

ただ、なぜその方法が効率的なのかという部分の説明が一切ないので、「偉い先生がこういうことを言っていました」「私はこういうやり方をやっています」という以上の根拠がなく、やや読後感が悪い。

ようは、情報を収集整理して形にするまで具体的な流れについて、企画書や論文の作成の過程で実際に行われている例を知りたい人のための本で、効率的な情報整理のための技術を理解して、企画書や論文ではない異分野に応用したいという人のための本ではなかったということのようだ。

 

 

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

米長邦雄

 

【内容】

元プロ棋士、現日本将棋連盟会長の米長邦雄氏が、2011年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝したソフトである「ボンクラーズ」と対戦し、敗北した際の顛末をまとめたもの。

 

【感想】

基本的に将棋の知識なしでも読めるように配慮されていて、7章の自戦解説以外は、金の正確な動き方すら知らない自分でもすらすら読めた。

あから2010と清水女流王将の対戦をまとめた「コンピュータVSプロ棋士―名人に勝つ日はいつか」と比較すると、将棋を知らない人でもかなり読みやすくなっている反面、技術的な解説は一切なくなっていて、読みや局面評価のアルゴリズムだとかの基礎的な話をわかりやすく読みたいという人には向かないかもしれない。

 

カスパロフ対ディープブルーとか、ケン・ジェニングス&ブラッド・ラター対ワトソンとか、そういうコンピューター対人間という状況が好きな人は面白く読めると思う。

 

あと、この米長さんという人の文体もこの本の面白さにかなり寄与している気がした。

統計関係の初等本を書いている大村平さんのようなユニークな感じ。

 

とにかく面白かったのでさくさく読めました。