われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る
われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る
【内容】
元プロ棋士、現日本将棋連盟会長の米長邦雄氏が、2011年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝したソフトである「ボンクラーズ」と対戦し、敗北した際の顛末をまとめたもの。
【感想】
基本的に将棋の知識なしでも読めるように配慮されていて、7章の自戦解説以外は、金の正確な動き方すら知らない自分でもすらすら読めた。
あから2010と清水女流王将の対戦をまとめた「コンピュータVSプロ棋士―名人に勝つ日はいつか」と比較すると、将棋を知らない人でもかなり読みやすくなっている反面、技術的な解説は一切なくなっていて、読みや局面評価のアルゴリズムだとかの基礎的な話をわかりやすく読みたいという人には向かないかもしれない。
カスパロフ対ディープブルーとか、ケン・ジェニングス&ブラッド・ラター対ワトソンとか、そういうコンピューター対人間という状況が好きな人は面白く読めると思う。
あと、この米長さんという人の文体もこの本の面白さにかなり寄与している気がした。
統計関係の初等本を書いている大村平さんのようなユニークな感じ。
とにかく面白かったのでさくさく読めました。