統計という名のウソ―数字の正体、データのたくらみ
統計という名のウソ―数字の正体、データのたくらみ
ジョエル・ベスト
【内容】
統計リテラシーに関する啓蒙書。
統計を作る人間の意図や、解釈する人間のバイアスなど、人間が関わっている部分について一歩引いて考えろということを、いろいろな実例を挙げながら紹介した本。
【感想】
内容は当たり前といえば当たり前なので、読みながら再認識させる感じだった。
あえて一部の期間の数字だけ切り取って自分の主張を強化する、みたいなよくある統計の話は当然紹介されているけど、悪意がないのに生まれるまずい統計の話も結構あって、この手の話をあまり意識したことがない人にとっては面白いと思う。
著者がアメリカ人なのでアメリカの話が大半で、だからこそそこが面白かった。
大学ランキングの話とか、人種プロファイリングの話あたりはかなり新鮮に読めた。
あと、この本で気になった点は、英語から訳されたんだと一目でわかるような表現-特にこのような横線でくくった注釈-が多いということ。
たまに読みづらいなと思ったけど、翻訳ものでもっと読みづらい本は大量にあるからただ線でくくる表現の多さが気になっただけかも。
アメリカンジョークみたいなまわりくどい表現もないし、全体的には読みやすい本だった。